西伊豆釣りの旅2 (釣り修行の旅5)
ついに黒鯛を釣る?
風呂にはイスが必要です
プロローグ
風薫る秋。秋と言えば釣りの季節です。
前回の修行の旅よりはや3ヶ月、今回も懲りずに西伊豆へ行って来ました。
今回の釣り修行の参加者は、いつもの皆勤賞のいがぽんと初参加のざぶちゃんです。
去年の春から黒鯛を追い続けて17ヶ月、修行の旅は4回、日帰りは数知れず。未だに一匹も釣れたことがありません。
いるのかいないのか、腕が悪いのか、場所が悪いのか、道具が悪いのか、潮が悪いのか、餌が悪いのか、いったい何が悪いんだ?
最近は基本的な何かが間違っているのではないか等と行き詰まりを感じていました。
しかし、黒鯛を釣るまで修行は終わりません。
さてさて今回は黒鯛を拝めるでしょうか?
さっそく西伊豆釣りの旅2 (釣り修行の旅5)の始まりです。
一日目・カワハギ
一日目の今日は船釣りです。
前回の修行の旅で乗った船は旅館「みはま」のものでした。
船長がとても感じのいい人だったので、本当は泊まる人だけなのですが今回は宿には泊まらないで船だけ乗せてもらうことにしました。
船の出発が6時なのでいがぽん邸には2時半集合です。当然まだ真っ暗です。
いがぽんが全て用意してくれた昼飯代を節約する為のクッキングセットを車に積み、今度はざぶちゃんがいる町田に向かいます。
町田には3時に集合です。
予定通りに3時15分に到着(15分遅刻するという予想通り)するとすでにざぶちゃんは駐車場にいました。
そこで荷物を「こませ1号」から「こませ2号」に積み替えて今度こそ本当の出発です。
横浜町田ICから東名に入り沼津ICで下ります。
いつも餌を買う釣具屋の「カントー」を素通りして行きます。
途中までは海岸線を進み、それから山を越えると5時10分に戸田に到着しました。
やっとあたりが明るくなってきました。
宿の女将さんはもう働いていました。船長と船はすでに沖で漁をしているらしくいません。
6時近くになって沖から見覚えのある船長と船が帰ってきました。
相変わらず人懐っこい顔をしています。
竿は借りるので船に持っていく物はクーラーボックスだけです。さてこのクーラーボックスがいっぱいになるのでしょうか。
船長によると今日の狙いはカワハギです。
え〜!もっと魚らしい魚がいいよ〜。
しかし、有無を言わさずカワハギです。
まあ、外道に期待をして出発します。
戸田湾を出ると予想以上に波、うねりがあり船は結構揺れます。
土肥方向にだいぶ進んだ所で船のスピードが落ちました。
どうやらこの辺がポイントのようです。
仕掛けは単純で、道糸に2本の針が付いているハリスを付け、一番下にオモリを付けます。餌はむいてある貝です。
そして底から1mにして待ちます。
2、3回投入後、さっそく来ました。ググッ、グッ。
重みを感じながら引き上げます。途中で重さを感じなくなりますが、それは魚が上に向かって泳いでいる為です。
海の中に魚影が見えてきました。この瞬間がたまりません。
カワハギです。20cm強というところでしょうか。
続いていがぽん、ざぶちゃんと連続でカワハギがヒットです。大きさはみんな同じくらいです。
それからはかなりいいペースで釣れました。
こうしている時にもうねりで船は揺れ続けています。
私はかなりやばい状態を行ったり来たりしていますが、いがぽんとざぶちゃんは全然平気のようです。
この差はどこから来るのでしょうか。移動中と釣っている時はいいのですが餌を付けている時などがつらいです。
ところでもうかれこれ何時間も釣っているのですが、カワハギ以外は釣れません。
カワハギは皮が厚く手触りはザラザラしています。(触ったことはないですが)象の肌のような感じです。
40〜70mの海底から1mくらいのところにいるので、釣り上げるとお尻から内蔵が出てしまったり目玉が飛び出たりかなりグロテスクです。
いいかげんカワハギしか釣れないので食傷気味です。
釣れても「また象だよ〜」等とひどい扱いです。
今回も釣れた時のためにまな板と包丁は持ってきていますが、カワハギでは調理方法が分かりません。
名前の通り皮を剥ぐらしいのですが...。
それから何回か場所を変えましたが最後まで狙いは変わりませんでした。
結局カワハギ以外の待望の外道は釣れませんでした。
しかしクーラーボックスはカワハギで一杯になりました。
11時になり終了の時間です。
前回は港に着くまでクーラーボックスを開けてニヤニヤしていましたが、カワハギじゃそれもありません。
港に着きました。
カワハギは「みはま」に引き取ってもらいました。
船長は「今度は鯛を釣り方を教えてやる」と行ってました。
何故今回はカワハギ?まあ次回に期待しましょう。
一日目・ブラブラ
前回は9時に船を下りたので時間がいっぱいありましたが、今回はもう昼です。腹も減ります。
そこで、いがぽんが用意してくれたコンロと食材を使って昼飯を作ることにしました。
食材といってもレトルトカレーとご飯です。
戸田湾を囲むようにある御浜海岸に移動し車を停め、浜辺にある板張りの広場で昼飯の用意をします。
コンロでお湯を沸かし先ずパックのご飯を温めます。
さすがに外でコンロじゃなかなかお湯は沸きません。
しかし、これから釣る時間も無いのでのんびりお湯が沸くのを待ちます。
この季節じゃ浜辺も人はまばらです。
暑くもなく寒くもなく風は穏やか、景色も良く人気(ひとけ)もなく静かで昼寝でもしたくなるような気分です。
お湯が沸いてパックのご飯を2、3度ひっくり返してやっと暖まりました。
次はカレーを温めます。
しかし、ざぶちゃんはレトルトのカレーを温めないで食べると言います。
そりゃ死にゃあしないだろうけど変わってますね。
なので2人分のカレーを温めました。
ざぶちゃんはすでに食べ始めています。熱いご飯と混ざって丁度いい温度になるらしいです。
カレーが暖まりました。ご飯にカレーをかけていただきます。
旨い!空気も旨いし気分もいいです。
ここに釣った魚があればもっと最高でした。
それから今日の宿がある土肥に移動します。
土肥に着くとまず明日の団子釣りの材料を買いに行きました。
最近の釣りでは餌代が非常にかさんでいます。
今回もご多分に漏れず一杯買い込みました。
チヌドリップという新兵器も買いました。しかしいつもは無駄に終わっています。
それから今日はもう釣る気がなかったのですが、まだ時間が早いので釣りバカが疼いてきました。
そこで宿の近くの防波堤に軽く釣りに行きました。
竿を一本と道具とオキアミだけ持ってテトラポット(波消しブロック)に入りました。
いつもはこれに他の竿とクーラーボックスと大バケツと小バケツを持っていくので大変な荷物です、
少ない荷物で行くとテトラポットも簡単に入れることが分かりました。
さっそく釣りを開始します。
浮き釣りで餌をオキアミだけという至って簡単な釣りです。こませがないのでちょっときついですね。
釣れる魚はベラ等雑魚ばかりです。
そんな中でざぶちゃんが鰺系のきれいで食べられそうなな魚を釣っていました。
3時になりこれ以上大物も期待できそうもないので止めることにしました。
本日の釣りは終了です。
今日の宿は八木沢温泉にある民宿「小池荘」です。
門構えは新築してしっかりとした和風です。みんなのウケも上々です。
車を宿の前に停めると主人らしき人が出てきましたが、なんか無愛想で早くも減点です。
男3人で来ているのに「乙女」と言う名前の部屋に通され、当てつけかと思いながらもまあまあきれいな部屋です。
一服してから風呂に行きました。
風呂は小さいながらもきれいです。しかし、何か違和感があります。何だ?
なんと体を洗うときに使う椅子がありません。
出し忘れているのかと思い脱衣所等を調べましたがどこにもありません。
ん〜?どうやって洗うんだ?
仕方ないのでみんなしゃがんで洗いました。
3人いっぺんに洗えないのでざぶちゃんは湯船で待っています。
すると後ろでざぶちゃんが大笑いしています。何がそんなに面白いのでしょうか?
確かに滑稽ではありますが...。
洗い終わって交代します。なるほど、何故笑っているのか分かりました。
しゃがんで洗っているのを後ろから見ると、大事な具がブラブラしているのが見えてしまいます。これは格好悪いです。
しかし、なんで椅子が無いのでしょうか。かなりの減点です。
温泉自体はとても気持ちいいのですけどねえ...。
部屋の戻り間もなく夕飯です。
今夜の夕飯はカニセット+2人分の舟盛を追加してあります。
さっそく部屋に運ばれてきました。カニはズワイ蟹で甲羅は付いていませんが、足はいっぱいあります。
舟盛もまあまあでこの料金では標準レベルでしょうか。
まあまあ満足で全部平らげました。
ダラダラとくつろいでから宿の玄関が閉まる前に買い出しに行きました。
買い出しと言ってもアイスが食べたかった為です。
お店は土肥まで行かないとありませんでした。コンビニのような店でアイスとお茶を買って帰りました。
宿に着くと門限前なのに戸が閉まっていました。
なんだよ〜、気が利かねえなあ。開けてもらって入りました。
それから部屋に戻ってテレビを見ていたら眠くなって寝ました。
二日目・黒鯛
おはようございます。
今日は修行の本番、団子釣りで黒鯛を狙います。
朝御飯をしっかり食べて出発します。
国道136号を松崎方面に南下して仁科という漁港を目指します。
仁科は前回の修行の旅でも行った場所で、すいていて魚影も濃いので今回も狙ってみることにしました。
堂ヶ島温泉を過ぎると仁科はすぐそこです。
このあたりは仙台の松島のような入り組んだ風光明媚な海岸です。
仁科港の防波堤はやっぱりすいていました。
なんでこんな釣れそうな所がすいているのか不思議です。ま、混んでたら困りますが。
さすがに先端は人が入っていましたが、その次の場所を確保できました。
3人並んで座って準備をします。
団子に昨日買ったチヌドリップを混ぜます。くっさ〜。イクラのような生臭さです。これは効き目ありそうです。
準備完了です。
オキアミをチヌ針につけ団子で包んで思いっきり投げて釣り開始です。
団子は周りから少しずつ崩れながら針を包んだまま底まで沈んでいきます。
それと共に浮きが引っ張られて沈んでいきます。
浮きは水面から50cmくらい沈んで止まり、団子が段々と壊れるのを待ちます。そのうち団子が壊れ浮きが水面に上がってきます。
その時が勝負です。
底に潜む黒鯛がまんまと餌を食べるとストーンと浮きが消し込むわけです。
要は団子釣りとは、上層や中層にいるたくさんの餌取り(小魚)に餌を取られるのを防ぎ、底にいる大物を狙う釣り方です。
何度か餌を取られた後に、ついにその瞬間がやってきました。
いつものように団子が割れて水中から浮きが浮いていきたその時、浮きがストーンと沈んでいきました。
来た!
それと同時に合わせます(竿をあおる)。ん?これは大きいです。かなりの引きです。
強引にリールを巻くと魚が見えてきました。あっあれは、まさか黒鯛?
そうです。あれはまさしく黒鯛です。タモをを使って取り込みます。やりました〜。
黒鯛を追い続けて14ヶ月、ついに黒鯛を釣り上げました。
でも30cm以下は一般には黒鯛とは呼ばず、カイズと言います。
そんなことはこの際関係ありません。カイズだろうがなんだろうが黒鯛は黒鯛です。本当に嬉しいです。
これによってみんなの釣心に火がつきました。みんな目の色が変わりました。
一枚釣ってしまった私は余裕の笑顔です。
そして何投か後にいがぽんがヒット!かなり引いています。
これまたなんと黒鯛です。
いがぽんはこの後、50cm級のボラも釣り上げてました。
そして最後に残ったざぶちゃんも黒鯛を釣り上げ、みんな大満足です。
秋の数釣りと言いますが、いるところにはいるのですね。
我々の技術も上がっているとは思いますが、やはりいなけりゃ釣れません。
すっかり熱中して腹が減っているのを忘れていました。
今日もまた自炊します。と言ってもカップラーメンです。
ミネラルウォーターを涌かすだけなので簡単です。
でも、外で食べるカップラーメンはいつもより1.5倍くらい美味しいです。
なぜ昼飯を自炊しているかというと、みんな金欠なのでなるべく飯代を安くするためです。
そんなことを言いながら、餌代には一人3000円くらいかかっています。釣りバカらしいですね。
そして3時ごろまで釣りを満喫しました。
結局黒鯛は全部で7枚釣れました。
大漁、大漁。
2日目の宿は戸田の「御宿きむらやつわぶき亭」です。
今回もいがクーポンのおかげで10000円です。本当はもっと高い宿です。
戸田の海岸近くの高台にあり玄関の階が4階で、中は高級感が漂っています。
提灯を持った仲居さんに案内され部屋に向かいます。
各階は江戸時代の街道の名前が付いていて、私達の部屋のある階は、ん?なんだっけ。とにかく部屋の名前は「船橋」です。
部屋に入ってびっくりです。
広い。いままで利用した宿の中で一番広いです。習性で部屋の中を細かくチェックします。
特に洗面所が広かったです。
窓からは海が見えていいのですが、この部屋は建物の端なので隣のホテルから丸見えです。
何故かこの季節に部屋に蚊が飛んでいるのが気になりました(刺された)。
一服してから風呂へ行きます。
風呂は内風呂と露天風呂があります。
まずは内風呂に行きます。中はそんなに広くはありませんが清潔感が漂います。
ふ〜。極楽です。
露天風呂は後にして夕飯を食べに一度部屋に戻ります。料理はもちろん部屋出しです。
お楽しみの料理が運ばれてきました。
お膳の上に運ばれる度に、お〜!お〜!お〜!...あれっ。終わり?
う〜ん、ちょいとあっさり系。食べ盛り?の我々にとっては少し物足りないですねえ。夜食決定です。
では今度は露天風呂へ行ってみましょう。
アップダウンのある長い廊下の奥にそれはあります。
おぉ!先ほどの風呂より新しくてきれいです。露天と言っても屋根は付いています。
風呂は3つあって、1つは普通の風呂。1つはジャグジー、もう1つは一番外側にあって露天っぽいです。
お湯が少し熱目ですがとても気持ちいいです。
男湯はいいのですが女湯も隣のホテルから丸見えのような気がします。
部屋に戻るってテレビを見ているといがぽんは寝てしまいました。
その内また腹が減ってきました。
いがぽんを起こして戸田の街に行くことになりました。
駐車場に行ってみるとキーを預けてあったので重ねて駐車されていました。
車が出せないので歩いて行こうとしましたが、到底歩ける距離ではありませんでした。
仕方ないので宿の中の自販機コーナーにある冷凍麺で済ませました。
レンジで温めてからお湯を入れますがまあまあ美味しかったです。
そんなこんなで釣りバカ修行の歴史的な一日が終わりました。
三日目・鍛錬
3日目です。
今日は午前中に軽く釣りをして帰ります。
場所は井田の突堤と決め出発しました。
井田の突堤は知る人ぞ知る釣り場で、交通の便が悪いくせに釣り客が途絶えることはありません。当然よく釣れるのでしょう。
少し前の平日の月曜日の午前4時半ごろに来たときは、他の防波堤はガラガラだったのに対しここは人がいっぱいでした。
よってここで釣ったことはありません。
今日も月曜日、時間は9時ですがどうでしょうか。
井田に入る寂しい交差点を折れて細い道を抜けると到着です。
駐車場から突堤を見るとやはり何人も人がいます。
しかも今日は風が強く竿を出せるポイントが限られます。
とりあえず道具を持って突堤に行きます。
予想通り先端は人で埋まり竿を出せるのは突堤の左手しかありません。
しかし、そっちは砂地であまり期待できません。
すでに餌を買ってしまいこれから場所を移動する時間もありません。ここで釣るしかないようです。
今日も団子釣りで頑張りますが全然釣れません。
近くでカゴ投げで釣っている人達は面白いように釣れています。
ここはカゴ投げが全盛で団子釣りは肩身が狭いです。今度ここへ来るときはカゴの準備をしてきましょう。
結局、何にも釣れませんでした。失敗です。
12時前ですが撤収しましょう。
昼飯を沼津で食べることにしました。
前にも行ったことのある焼き肉の「花まさ館」に行って腹一杯食べて帰りました。
東名は渋滞もなくすんなり町田に着きざぶちゃんと別れ、車を乗り換えて横浜でいがぽんと別れ我が家に付きました。
今回で5回目の修行の旅となったわけですが、5回目にしてようやく黒鯛を釣るという目的を達成しました。
修行の日々よさようなら。
そしてたくさんの思い出をありがとう。
次回からは「釣り修行の旅」から「釣り鍛錬の旅」と題名を変更させていただきます。
これからの目標は、さらなる釣り技術の向上とカイズ級ではなく30cm以上の(本物の)黒鯛を釣ることです。
では次回「釣り鍛錬の旅」でお会いしましょう。
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