甲斐伊豆フライフィッシングの旅 (釣り挑戦の旅)
何故に迷走旅行?
フライフィッシングにはまりそうです
前書き
今は2月、真冬です。
本当ならば常夏のグアムでヴァ、バじゃなくてヴァケーションを満喫していたはずでした。
ところが一緒に行くはずだった1人の友人の仕事の予定が立たず、仕方なく無期?延期になってしまいました。
この年で初めてパスポートまで取って準備万端だったのに残念です。
そこで、その代わりと言ってはなんですが軽く温泉にでも行ってのんびりしようか、と言うことになりました。
どうせ行くのなら釣りをやらない手はないでしょう。
でも、海では風が吹いて寒いです。
では、川、湖か。
今までは遊び程度しか川釣りをやったことがありません。
と言うか海釣りに夢中でそれどころじゃありませんでした。
だから寒い冬には釣りは休業となっていました(本当は冬には冬の魚が釣れるようですが...)。
たまには川へ行ってみるか。
で、冬でも釣れるならば釣りの季節は一年中となるわけです。
一度思い立つと止まりません。
どうせやるならなんとなくカッコいいフライフィッシングをやろうと言うことになりました。
例によって一緒に行くのはいがぽんです。
日程は金曜の夕方に出て金土日というちょっと変則型です。
しかも金曜日の宿は山梨の石和温泉、土曜日は伊豆の戸田という土地勘がある人ならば首をかしげるコースです。
何故そんなコースになったかというと川(湖)釣りで先ず頭に浮かんだのが長野県の諏訪湖のワカサギ釣りでした。
諏訪湖なら石和温泉に泊まって9時に宿を出たとしても午前中には始められる距離です。
しかし最近何年かは湖が凍らないため専用の船で釣ることになり、その船が2時間で9000円とべらぼうに高いので諦めました。
でも、石和温泉には行ってみたかったのでそれは残し、2泊目をどこにしようかと考えました。
「戸田に高足カニでも食いに行く?」で、すぐに決まったのですがカニを食べられる安い宿は予約で一杯でした。(この宿はいつも一杯)
結局4軒目でやっと取れました。
残り物といった感じですがどうでしょうか。高足カニはでないようですが。
オフシーズンの2月でもやはり温泉は人気がありますね。しかも戸田という僻地なのに。
こうしてこんな変なコースになりました。
フライの方は道具もなく釣り方もわかりませんが、さてどうなることでしょうか。
一日目
お互いフライの道具は何一つ持っていません。
買いに行く暇も無いので行く日に釣具屋に寄ってから出発する事にしました。
先ず私の地元の上州屋に寄りました。
ところがいくら探してもルアーはあってもフライはありません。
次にルアー屋に行きました。
ルアー屋だけにルアーしかありませんでした。そりゃそうだ。
今日は夕飯の都合上8時までに石和の宿にチェックインしなくてはなりません。今は夕方の5時。
なので、こんなところでハマっていると渋滞につかまり東京を脱出することができなくなってしまいます。
仕方なく道具は明日探す事にして急いで首都高に入りました。
入るとすぐに渋滞です。う〜ん。
首都高は病んでいますね。あ〜腹立つ。
でもこの車も渋滞の原因の1つであるとも言えるので我慢我慢。
芝公園あたりで渋滞はやっと解消し、一気に中央高速に入ります。
一宮御坂ICで下りると石和温泉はすぐそこです。
石和の街は平地です。
普通温泉街とかいうと山の中腹とか谷とか海沿いが多いですが、全くの平地です。
なんとなく温泉街っぽくない街で多少迷いましたが7時半には宿に到着しました。
夕飯に間に合いました。ほっ
今日の宿は「ホテル石庭」です。
なかなか立派な建物です。仲居さんに従って通された部屋は、ひ、広いです。
入るとまず広い洋間でベッドがあり、奥にはこちらも広い和室です。宿ランキング中で一番広い部屋です。
仲居さんにこの辺に釣り道具屋があるか聞いてみたところ、とても親切な対応で他の従業員に聞いてくれました。
甲府に上州屋があるので、朝、フロントで地図を用意してくれるとのことです。
なかなか感じがいいです。
そして時間がないので風呂に入る前に夕飯になりました。
部屋出しなので待っていると運ばれてきました。
山に囲まれているだけに山の物が多いようです。山梨名物のほうとうや柳川鍋は美味しかったです。
でも、刺身とお吸い物はちょっといただけませんでした。
山なんだからわざわざ刺身なんか出さなくてもいいのにねえ。
まあ、宿泊料金も安いですし満足しなくてはいけません。
それから一服してから風呂にいきました。
風呂は外が寒いせいでモヤが立ちこめ5m先が真っ白で見えないくらいです。
ホテルの大きさから言ってはそれほど大きな風呂ではありませんが、私のとっては温度が丁度良くて気持ちよかったです。
そして部屋に戻りだらだらしながら、その夜は更けていきました。
二日目・その1
朝です。天気はいいけどとても寒いようです。
朝飯を食べてからフロント電話をしました。
上州屋が何時に開くか聞くためです。
海沿いや個人店なら朝早くからやっていますが、大型店は分かりません。
しかし、電話が繋がらないとのことでした。やはり店は開いてないようです。
店までの地図をもらってとりあえず宿を出て甲府方面に向かいます。
15分ほど走ると上州屋がありました。
看板にはルアー・フライと書かれています。今度は大丈夫、フライも売ってるようです。
しかしまだ9時、閉まっています。
仕方なく隣のファミレスで時間を潰すことにしました。
さっき朝飯を食べたばかりなのにモーニングセットを食いました。
10時になり開店ダッシュです。
当然、客は他にいません。
急いでフライのコーナーに行くとロッド(竿)、リール、ライン(道糸)、フライ(毛針)等が1つになったお得セットが並んでいます。
全く素人な我々なので店員さんを呼んで見立ててもらいました。
見立てると言ってもどのセットがいいかと選んでもらう程度です。
でも、その店員さんはとても親切で、物が良いと言って一番安いセット(9600円)を選んでくれました。
普通どちらかというと高いものを選びそうですが良心的ですね。
結局一番安いセットと海釣りで言うところのハリス(なんて言うかわからない)とフライを3つくらいを買いました。
フライの道具はほとんどがカタカナです。
コテコテの海釣りの道具名(例えばチヌ団子)に慣れている我々にとってはわけ分かりません。
そんで、フライを付ければ後は釣るだけの状態にしてもらいました。
やっとアイテムがそろいフィッシングポイントへゴーです。(おっ、勝手にカタカナが出て来るぞ。さすがフライマジック!)。
二日目・その2
今日目指すのは都留(つる)にある管理釣り場(広い釣り堀のようなもの)、ホリデーロッジ鹿留(ししどめ)です。
何故ここかというとTVでやっていたからです。
中央高速を東京方面に一度向かってから河口湖方面に行き都留ICで下ります。
20分ほど走って鹿留に到着しました。
もう昼なのでかなりの人がいます。
受付で午後だけの半日の入漁券を買ってから道具を用意します。と言っても用意はほとんどできています。
海釣りとは違ってかなり軽装です。
海釣りでは竿、道具箱、バケツ2つ、クーラーバック等いっぱいです。
でもフライはロッドと小さい道具箱だけです。う〜ん、楽だ。
ここの釣り場は結構広い池と川の2ヶ所で釣ることができます。
我々は池を選びました。
池の周りは等間隔に釣り人が並んでいます。
一ヶ所だけ空いている所に陣取るとこにしました。と言うかそこしかありません。
まずはフライを付けずにロッドを振ってラインを出す練習をします。
フライフィッシングは軽いフライをラインの重さによって遠く(遠くと言っても10〜20mくらい)に飛ばすのです。
だから新体操のリボンのようにロッドを振って、フライが水面や地面に落ちないようにラインを少しずつ出していきます。
振る時には後ろにも同じだけ飛ぶので、フライを飛ばすときは後ろに注意してロッドを振らなければなりません。
この一連の動作が慣れないとなかなか難しいのです。
少し要領をつかんだのでフライを付けてみます。
思ったようにはなかなかうまくフライは飛びません。
思いっきりロッドを振っている割にはフライはすぐそこに落ちます。
しかも前に振るたびにフライが水面についてしまいます。う〜ん、難しい。
ようやくそこそこフライが飛んで水面に落ちます。
フライにはとてもたくさんの種類があって今回使ったのは沈むフライです。
マラブーという種類で最初は表面張力で浮いていますが、その内、水が馴染んでくるとゆっくりと沈んでいきます。
水は濁っているのでフライは見えません。後はラインの先を注意深く見ます。
魚が食いつくとそろ〜とラインが沈んでいくらしいです。後は海釣りと一緒で合わせます。
しかし、ここで注意しなければならないのは、ラインは常に弛んでいるのでただロッドをあおってもフライは無反応です。
指でラインを押さえてからあおって初めて合わせられます。いつもの調子であおって何回も失敗しました。
すると横で釣っていたいがぽんに初ヒット!おお、ニジマスです。
きれいな魚です。いいな〜。
そして続けざまに2匹目、3匹目をヒットォ!満足そうです。
なんでえ〜?こちらは反応無しです。
気が付くと何個もフライが無くなっています。
どこかに引っかかってるらしいです。ヘタクソです。
周りのうまい人達は面白いように釣ってます。
どうやら色々な条件が絡んで釣れるフライと釣れないフライがあるようです。
釣れているいがぽんのフライと同じ物をつけてみます。
するとどうでしょう、魚がつつき始めました。
しかし、つついては吐きつついては吐きして飲み込んでくれません。釣れないよ〜。
ちょっと目を離したすきにラインが沈んでいます。
あれっ?急いで合わせると来た、初ヒ〜ット!ニジマスです。
が、しかし、しけ込んだ瞬間を見逃していたのでうれしさ半分です。
ここの管理釣り場はコンロ持ち込みOKのようでその場で焼いている人達がいます。
うまそう。七輪持ってくれば良かった。
この日はとても寒く、前々日に降った雪がとけずに残っています。
ロッドを振っているといつの間にかラインが出ていかなくなります。
不思議に思いラインが通るガイドを見ると、なんと凍っています。
ラインについた水がガイドについて、それが寒さで凍ってしまってラインがガイドに固定されていました。
釣りに夢中で、しかも風がないのであまり寒さを感じていなかったのですが、かなり寒かったようです。
それからは魚の食いが悪くなり(我々だけか?)寒さも身にしみてきたので今日はこの辺で撤収する事にしました。
ここから今日の宿のある戸田に向かいます。
実は結構遠いのです。
二日目・その3
まずは都留ICに戻ります。
高速の入口でなんとなく違和感を覚え、自動券売機を抜けて進もうとすると別れ道がありません。
普通は登り方面と下り方面に入口が分かれるはずですが何故か大月・東京方面(登り)しかありません。
あれ???、これはやばい。
このまま行ったら逆方面に行ってしまいます。強引に隣の反対車線にUターンしました。(いいのか?)
出口の料金所で訳を話すと、車のナンバーを控えられてから外に出ることができました。もちろん料金は掛かりません。
実はこのICは、登りの入口と下りの出口しか無いのでした。なんと不便な。そして知らなかった....
仕方なく一般道で河口湖方面に向かいます。
富士吉田から東富士五湖道路を通って御殿場に出て、東名で沼津に行きます。
沼津からはいつもの海釣りロードで戸田に向かいます。途中沼津市街が渋滞したため宿に遅れる旨を伝えました。
電話の応対は上々です。こう言うところがダメな宿には期待できません。
戸田に着く頃には空は真っ暗(と言っても6時頃)でした。地図によると今日の宿「魚梅」は街の中心のこの辺りのはずです。
しかし、ぐるりと見ても見あたりません。はて?
上を見上げるとおぉ!大きい。
宿の名前からして小さい宿を想像していましたが結構大きくて見過ごしていました。
裏の駐車場まで係りの人が来てくれてフロントまで案内してくれます。感じいいです。
7階の部屋の窓からは戸田湾が一望です。夕焼けには少し遅かったようです。
また到着が遅くなってしまったので、夕飯を先に食べることにしました。もちろん部屋出しです。
今日の料理はエビづくしコースです。
伊勢エビやら手長エビやら後は何だか忘れたけどとにかく美味しいです。
特に手長エビの活け作りは最高でした。伊勢エビの刺身にも負けないくらい旨いです。
すっかり満足してから風呂に行きました。
風呂は最上階の展望風呂で真っ暗な海に漁船の明かりが見えます。
とっても気持ちのいい風呂でした。
部屋に戻るとまだ8時頃なのに2人ともウトウトと眠ってしまいました。
目が覚めると11時でした。小腹が空いたなあと思っていると「ちゃらら〜らら〜」とチャルメラが聞こえてきました。
7階の部屋から下を見ると、港の海沿いの道を屋台のラーメン屋がゆっくり走っています。
停まったらダッシュで食べに行くことにしました。
トロトロと走って宿の前で停まりました。店を開けるのでしょうか。
しばらくその場で停まっていましたが、そのままエンジンをかけて走り出してしまいました。なんだよ〜。
いったい何だったのでしょうか?
我々に空腹感だけを残してラーメン屋は行ってしまいました。
その後腹減って眠れないかと思いましたが、簡単に眠りに落ちました。
三日目
3日目です。
せっかく目の前が海だというのに、それを無視して御殿場にある東山湖に向かいます。
東山湖は前日の上州屋に貼ってあったガイドに書いてあり初めて知った場所です。
海釣りロードを通って御殿場を目指します。
ICを下りて地図を頼りに進むとありました。結構大きな湖(池?)です。
真正面には富士山がど〜んと見え、そこからの吹き下ろしの風で昨日より寒さを感じます。
釣り場は、湖の周り一周と湖の真ん中に横たわる細長い桟橋から竿を出すことになります。
しかし、桟橋と池の周りは人でいっぱいです。
かろうじて空いている所は駐車場から一番遠い湖の対角でした。
でもそこは比較的後ろの障害物が少なく、フライをやるには結構いいかもしれません。
まず、管理事務所で入漁券と不足したマラブーを買い足します。
それと昨日は無かったインジケータ(発泡スチロールでできた小さな目印。浮きにもなる)を買いました。
事務所のおじさんと話すと、昨日の鹿留では「川で釣らないと意味がない、池ではなくて金を捨てるようなもの」と言われガッカリ。
我々がど素人と思ったのか(確かのそうなのだけど)、知識がないことを道具が無いことをつつかれました。
けっ。でも、今度鹿留に行ったら川の釣り場に行くことにしましょう。
気を取り直して2回目のフライフィッシングを開始します。
昨日で慣れていたはずですが今日も何個もフライを無くしました。
先にヒットしたのはいがぽんでした。立て続けに3匹ヒットしてます。こっちは.....
相変わらず釣れません。
いがぽんと同じ色相のマラブーに変えてみます。すると突然当たりが出てきました。
濁った水の中でこんな暗い焦げ茶の色が見えるのでしょうか?魚は人間の目で見る色と全然違う色が見えているらしいです。
そこからこっちも3匹立て続けにヒットしました。
生け簀が無いのでビニール袋に穴を開けて代わりにします。
その後は寒くなってきたので2時頃に終了しました。
釣ったニジマスは持って帰って食べることにしました。
マックで遅い昼食を食べてから帰路につきました。
後書き
山梨伊豆を迷走した今回の旅でしたが、フライフィッシングの面白さの一部が分かりました。
一部と言ったのは、フライフィッシングの世界はは奥が深くまだまだ序の口だからです。
これから釣り方や道具に凝ったり、管理釣り場ではなく自然の川や湖に行ったりとか楽しみは広がります。
鹿留などの火を使ってもOKなところに行って、釣った魚をその場で焼いたりするのも旨いだろうし楽しそうです。
今までは海釣りばかりでしたが、フライフィッシングがこんなに面白いなんてこの年になって初めて知りました。
今の夢は清流で知られる四国の四万十川へ行ってフライフィッシングやることです。かっくいい〜
と、またどんどんエスカレートしていく気がします。
そして釣りの世界がもっと広がりそうです。
もうすぐ海釣りの季節も始まるし、海に川に湖に忙しいことになりそうです。
それではまた。
Back to
Index
ここ
からどうぞ。