北海道一周の旅、98夏
3600km走破
食い物もうまいっしょ
事の始まり
何が私をまた北海道に呼ぶのでしょうか?
すでに私は7度北海道へ行ったことがあります。
子供の頃はスキー、大人になって原付バイク持ち込みでキャンプ、車での貧乏旅行、道央の旅、流氷バスツアーと、飽きるほど行っているのにまた行くことになりました。
事の始まりは私のバイト時代の後輩の英哉からの電話でした。
英哉は最近会社を辞めこの機に日本全国の県庁所在地の初乗り切符を集める旅をしている、そしてこの夏に北海道へ行くということを聞きました。
私の勤め先は夏の休みが16日間と長いのですが、何も予定の無かった私にとってなんとも遊び心をくすぐる話です。
それからすっかり電話で北海道旅行の話が盛り上がってしまいました。
しかし、普通の旅行では行く意味がありません。
行くなら北海道制覇、一周の旅しか魅力を感じないのであります。
話は本当に簡単に決まりました。
交通手段は車、上陸方法は青森からフェリー、宿は前日にビジネスホテルを予約、帰りは小樽から新潟行きのフェリー。
宿泊地は函館、旭川、稚内、網走、根室、釧路、帯広、札幌、8泊船中1泊10日間と決定されました。
すごいです。
ほとんど一周に近い北海道一周です。
そして食べ物の目標は、ウニ丼、寿司、カニ、炉端焼き、トウモロコシ、ジャガイモ、ジンギスカン、ラーメン、牛乳。
こんな風に突然降って沸いた大旅行が始まります。
一日目、東京〜函館(その1)・眠い
出発の3週間前頃に青森から函館に渡るフェリーと、函館の宿を予約しました。
本当は午後2時の船に乗りたかったのですが、夏の北海道はさすがに人気があるようでその船は取れず、昼の12時の船を取りました。
12時の船の乗ると言うとことは、乗船手続きを考えて10時までには青森に着いていなければなりません。
最初は英哉の住む川口に午前3時集合のつもりだったのですが、それはとても危険と判断し、寝ないで0時に出発となりました。
英哉の前日のバイトが夜遅くなり、結局集合は0時30分でした。
「つりばかさん、最初の運転は俺にまかせてください。」と、もうみえみえの作戦です。
まかせろとは言っているが本当は自分がいつ眠くなるか分からないので、先に距離を稼ごうというわけです。
まあ、バイトで疲れているようなので行けるところまで行ってもらいましょう。
では出発!
まずは東北自動車道の起点、浦和ICから北を目指します。
青森までは約700kmです。
快調に走り出したと思ったら雨が降ってきました。
疲れているのに雨は辛かろう。うんうん、頑張れや。
英哉は普段から口数の多い奴ですが、今日はそれ以上に運転しながらしゃべりまくっています。
やはり旅行が始まったことで少し興奮しているのかと思ったら、どうやらしゃべっていないと眠くなるらしいです。
車が福島県に入ったころから英哉の口数が減ってきました。
と、突然パーキングに入り運転を代わってくれとのことです。
時間は4時、自分で4時までと決めていたらしいです。助手席にいったらすぐ寝てしまいました。まっいいか。
そこからは黙々と走りました。
段々夜は明けましたが天気は曇りです。道路には霧がかかり運転は疲れます。
眠気が襲ってきたら迷わずパーキングに入り売店や外をうろうろして眠気を覚まします。
時間は6時、ここは岩手県の前沢SAです。
眠いといっても私は布団以外あまり眠れない人なので醒めるのを待ちます。
醒めるとまた出発。ひたすら北上します。景色が見えていたらもっと快調に走れるのかもしれません。
次に停まったのは岩手山SA、時間は8時。
残念ながら岩手山は何も見えませんでした。
ここでもまたぶらぶらしていると、英哉がやっと起きて運転すると言い出しました。
しかしここで代わると帳尻を合わせられてしまうので、今後の貸しを作るため運転は代わりませんでした。
東北道は一旦秋田県に入ると青森はもうすぐです。
そのころには眠気はとっくに醒めていました。
そしてついに東北道を走破し青森市に入りました。
青森にも朝の渋滞はありました。(青森のみなさん、ごめんなさい)
時間は午前9時30分、川口から9時間かかったことになります。まあ、予定通りです。
少し迷いながら青森駅に到着しました。
英哉はお約束の初乗り切符を買っていました。
駅の周りはとても栄えていて、ねぶた祭りと重なって観光客がいっぱいいました。
でも、ねぶたは見れませんでした。
駅の売店で「青森づくし弁当」なる駅弁を買ってからフェリー埠頭を目指しました。
一日目、東京〜函館(その2)・野放し
フェリー乗り場は駅から車で5分くらいのところでした。
駐車場に停めて車検証を持って乗船手続きをしに窓口へ行きます。
予約をしてあるために手続きは楽でした。
車に戻り海の近くへ行って先ほど買った駅弁を食べました。
駅弁には青森だけにリンゴのシロップ付けが入っていましたが、とても甘くて一口でやめました。
フェリーはすでに岸壁に横付けにされていて、車の入り口は柵がかかっています。
乗船を待つ車は広い駐車場に適当に停まっています。
いったいどんな順番で乗船するのでしょうか?
係員に聞いたところ時間になったら柵の前に並び順番に乗船するのだそうです。まるで無秩序な乗船です。
時間を聞いていた我々は、その時間になり先頭を切るように柵へ向かいました。
すると後ろから我先にとあっと言う間に車の行列ができました。
なんでこんなやり方なんでしょう。
とりあえずほぼ先頭で乗船し一番安い2等客室へ向かいます。
全国どのフェリーでも一緒ですが2等は雑魚寝部屋です。
まあ、函館までは4時間なので寝ないでもいいのですが、さすがに夜行で来たので仮眠ぐらい取りたいです。
2等客室へ着くとここでもまた我先にと場所が埋まっていきます。
ふと横の扉を見ると「準備室」と書いてあります。中を覗くと一組の親子が場所を取っています。
「この部屋っていいんですかねえ?」と聞くと「開いてるしいいんじゃないですか。」でした。
「そうですよね。」と潜り込んで広々と場所を取り、これでゆっくり寝れる、と、してやったりの気分でした。
ここには扉があってこの部屋の存在に気付く人はあまりいません。
が、まだ出発には時間があり乗客達は自分の場所を探すためにうろうろしています。
たまに扉が開き中を見回しては不審な顔をしては去っていきます。
しかしこの部屋の存在がみなに知れるのも時間の問題でした。
いつの間にか部屋はいっぱいになってしまいました。しかも子供が多くうるさいです。
最初のうちは親たちも子供を叱っていましたが、そのうち疲れたのか眠いのか子供達は野放し状態です。
そんなのにもめげず英哉はすやすや寝ていましたが、私はほとんど眠れませんでした。
甲板に出てみると大きい島が見えたので北海道だ、と思ったら下北半島でした。下北半島はでかいです。
4時間ではありますが寝れないし、一服つける場所もないし、外は寒いし結構つらい4時間でした。
そしてようやく本物の北海道が近くに見えてきました。
函館山は霧の中に隠れていました。
港に接岸すると車の出口の大きな扉が開き順番に出ていきます。
一番先に入ったのはいいが出るのは一番最後でした・・・。
隣の車を見るとなんか見覚えのある顔の運転手です。誰だっけなあ、どこだっけなあ、う〜ん。
そうだ。やっと思い出しました。会社の通勤バスの運ちゃんです。
声かけよっかなあ、でも間違ってたらなあ。
隣に女の人も乗ってるしややこしい事になるとやなので、結局声はかけませんでした。
後でその車のナンバーを見るとやはり「川崎」です。
絶対そうだよ〜、等と言いながらその車とは別の道に分かれました。
なにはともあれ無事北海道に上陸しました。
8回目の上陸です。
天気は曇りです。
一日目、東京〜函館(その3)・いか
市街地に入り路面電車の線路を横切って、まずは今日の宿「ホテルサンシティ函館」にチェックインします。
部屋に入ってとりあえず一服です。
ビジネスホテルなので部屋がどうのとは書きませんが、まあ普通のホテルです。
それから五稜郭へ行くことになりました。
大通りを進むとなにやら交通規制をしています。
どうやら港祭りがあるらしいです。
路面電車が道の真ん中に停車していて、ギラギラのデコレーションを着けています。
路面電車は今日は営業していないらしく路線バスの行き先の所に「電車代行」と書かれています。
そこから五稜郭までの道は規制のせいでどこも渋滞していて、寸前のところで諦めて帰りました。
車で走ってて思ったのですが、地図で見れば一目瞭然なのですが海を背にして走るとすぐ海に出ます。
面白い地形の街です。
ホテルの目の前に「さかえ寿司本店」というガイド等でも有名な寿司屋があり、そこで夕飯を食べることになりました。
月曜なのですがほとんど満席で、1卓だけ空いていてすぐに席に着けました。
函館に来たらやはり寿司でしょう。
値段(確か2200円くらい)と品書きは忘れましたが上等なものを頼みました。
出てきた寿司はやはり美味しかったです。
英哉はウニが嫌いというなんと不幸な奴なんでしょう。
とても満足な気分で店を出て、それから歩いて港祭りを見に行くことになりました。
大通りに出ると夜店がたくさん出ています。
通りの遠くの方からもの凄いデカい音と強い光が届いています。
その音は何か音頭の様にも聞こえ、楽器がいわゆる太鼓とかではなくて電子ドラム(って言うのかな?)の様な音です。
近くに行くと段々人の数は増え、よ〜く見ると道路いっぱいに大勢の人が踊っているではありませんか。
聞こえていたのは「いか音頭」?って言うのかな。
「函館名物いか踊り〜いか刺しいか足いか納豆〜」等と始まって「いかいかいかいかいか踊り〜」と歌いながら踊りまくっています。
めちゃくちゃデコレートしたトラックの後ろにドデカいスピーカー(車のウーハーどころでない)を乗せて少しずつ走ります。
その後を何十人もの人達が踊りながらついていきます。
みんな合わせて踊っているのでなかなか壮観なものです。
踊りはそれぞれチームがあるようでそれごとに路地に待機しています。
そして順番にデコトラを先頭に出てきます。いったい何チームあるのか、次から次と出てきます。
本当に函館中の人々が集まっているのではないかと思わせるくらいの人が踊っています。
踊り自体は、手拍子と走って足上げるくらいの単純なものですが、すっかり見入ってしまいました。
それから夜店でおやつを食べてからホテルに戻ってから、これも超有名な函館山の夜景を見に行きました。
函館山は一般車は夜10時以降でないと入れません。
山道に入ると一気に登っていきます。
が、山の中腹まで来ると霧で何も見えなくなってしまいました。とりあえず頂上まで行きましたがやはり何も見えません。
しかたなく中腹まで降りて、視界が開けているところでかなり低い位置からの夜景を楽しみました。いまいちでした。
この借りは札幌の藻岩山で返すぞ。
こうして長い一日は終わりました。
二日目、函館〜旭川・ええの〜
おはようございます。曇りです。
昨日の夜は英哉に私のいびきの対処方法を教えてしまったため、何回も起こされました。
今日は北海道で走る予定のコースで最も長い距離で約450kmあり、一気に旭川へ向かいます。
まず国道5号を長万部(おしゃまんべ)を目指します。
函館からしばらく走ると大沼へ着きました。
晴れていれば大沼の向こうに雄大な駒ヶ岳が見えるはずですが、雲に覆われて何も見えません。がっかりです。
国道沿いの露天の売店で茹でトウモロコシ(200円)を買って食べました。甘くて美味しかったです。
しばらく走ると海岸沿いに出ます。
長万部までは延々と続く海岸線を走ります。
途中に「密航を許すな!」という奇妙な珍しい看板がありました。ロシア人でも来るのでしょうか?
何故かこのあたりはガソリンが妙に安いです。東京では今だとだいたい89円/lですがここらは70円台です。
長万部でガソリンを入れて、ここから道央自動車道に入ります。
このまま高速を走り続けば旭川に着きますが、それではつまらないので虻田洞爺湖ICで降りて札幌まで国道230号で行きます。
山道を行くとすぐに洞爺湖に出ます。
かなり大きな湖でその真ん中に大きい島があるのが特徴的です。
留寿都(るすつ)に向かう途中に今度は揚げジャガを売っている売店があったので食べました。
3個入っていて200円でした。これも安いです。でも3個も食べたら飽きました。
この辺からは羊蹄山(蝦夷富士)が見るはずですがこれもまた雲に覆われ見えません。富士山の様な形のはずですが...
しかし、初北海道の英哉は広いジャガイモ畑や牧草の稜線(まだまだ規模は小さい)を見ていちいち感動しています。
彼曰く、とりあえずの感動では「いいの〜」、その上が「よいの〜」、そして最上級の感動では「ええの〜」なのだそうです。
まだ北海道の入り口で「ええの〜」を連発しています。今後どうなってしまうのやら。
中山峠を越えたあたりから雨が降ってきました。
せっかく観光のために一般道で来たのに最悪の天気です。
定山渓温泉を通りすぎて札幌市に入るころには雨はあがっていました。
札幌の環状線を走り再び道央自動車道に入ります。
途中のS.A.で遅い昼食を取り一気に旭川へ向かいます。
道央自動車道の終点を降りると旭川はすぐそこです。
まずは今日の宿、「旭川国際ホテル」を探します。
ホテルは旭川の繁華街のど真ん中にあり、ぱっと見では分からない映画館の上にありました。
チェックインを済ませてから夕飯を食べに行きました。
今日の夕飯はラーメンです。
「山頭火」という店に行きました。
「山頭火」は旭川が本店で東京にも支店があるチェーン店です。
店の中にはとてもなが〜い長椅子があり順番待ちをする人達が並んで座っています。
それでも広い店なのですぐにカウンターの席に座れました。味噌ラーメンを頼みました。
出てきたどんぶりは普通のラーメンどんぶりとは違って、丸っこい大きいお椀のようなどんぶりですがどんぶり自体は小さいです。
スープは豚骨コテコテ系ですがダシがしっかりしていて麺は細麺、とても旨いです。
私はラーメン屋でラーメンを食べてもスープはそれほど飲みませんが、ここのは旨いので飲んでしまいました。
2人ともかなり満足して店を出ました。
しかしラーメンだけでは物足りずケンタッキーによって部屋の持って帰りました。
北海道まで来てファーストフード行くなって言われそうですが思わず買ってしまいました。
部屋に戻り明日の稚内(わっかない)の宿を探しました。
しかし宿が少ないせいか夏で混んでいるのか全然取れません。
全部で10軒くらい電話しましたがどこもいっぱいです。
仕方なく役場の観光課に電話したところものすんごく態度が悪かったです。
観光課で紹介された宿には電話せずに、最後の望みでかけた「紀ノ国屋旅館」という宿がやっと取れました。
これでかなりその後の宿の予約に危機感を覚えた我々は、この日の内に北海道で泊まる全ての宿を取ってしまいました。
稚内以外はどこも一発で取れました。
とりあえず一安心です。
三日目、旭川〜稚内・原野
今日は最北端の街、稚内を目指します。
予定移動距離は約270km、このあたりから北海道に魅力がどんどん現れてきます。
旭川の市街地を抜け国道40号に入ります。
比布(ぴっぷ)という昔CMで有名になった町のあたりから広々した風景が広がります。
広大なヒマワリ畑があるらしいのですが場所が分かりませんでした。
広い平地に道があるため無意味なカーブがありません。とにかく直線的に線を引いたような道が続きます。
士別(しべつ)、名寄(なよろ)、美深(びふか)と次々と街を通り抜けさらに北上します。
国道40号は天塩川(てしお)と交差を繰り返し進みます。
天塩川はとても美しく、特に川岸の緑がきれいです。
音威子府(おといねっぷ)村に入ると道は山に囲まれてきます。谷あいの退屈な道が続きます。
手塩町に入ると再び広々した平野が広がります。
ちょっと国道をそれて車を停め一服します。
牧草地は延々と続き、農道はどこまでも一直線です。牛ものんびりしています。
そしてまた国道に戻りしばらく進むと「北緯45度通過点」と書かれた大きな看板がありました。
幌延(ほろのべ)町を過ぎたあたりから道の左側にはサロベツ原野と呼ばれる広大な湿地帯が広がります。
国道沿いに名山台という展望台がありました。
階段を登ったところからの景色は木に囲まれてそれほど良くはありませんでした。
それでも木の間からは、サロベツ原野にあるペンケ沼(ぺんけとう)とパンケ沼が見え原野の広さを感じさせます。
足がガクガクしながら階段を下りて(運動不足だ)また北上、豊富町に入ります。
サロベツ原野へは左に曲がりますがまずは真っ直ぐ行きます。
するともう一つの展望台、宮の台展望台があります。
こっちは駐車場がすでに高台にあってさらに鉄塔に登ります。
こちらの展望は圧巻です。
360度見渡せ西側にはサロベツ原野が広がり地平線が見えるのではと思うほどです。
私はサロベツ原野へは来たことはありますが、この展望台は初めてです。
ここは本当にお勧めです。
しばし2人とも言葉を忘れて景色を眺めていました。
それから一言、「ええの〜」。
そこから国道に戻ると正面に徳満(とくみつ)という駅があります。
その無人駅に寄ってみました。
当然駅員はいなく、待つ客もいなく本当に電車が来るのかさえ心配になるような駅です。電車は約2時間おきでした。
駅舎の中はとても整備されているとは言えず、ポツンとストーブと落書き帳があるだけした。
そしてもう一度豊富町に戻り、今度はサロベツ原野の中に入っていきます。
サロベツ原生花園へ向かう道を走っていると突然視界が開け、先ほどに続き2度目の絶句です。
今度は原野のまっただ中で、ほとんど360度が果てしなく続く原野で遮るものが何もありません。
原野のほぼ真ん中にあるレストハウスから一周できる遊歩道があり、車を停めて歩いて回りました。
遊歩道は一周約1kmありのんびりと歩きました。
周りはどこまでも膝下くらいの原生植物に覆われています。
日本にもこんなところがあるんですね。
車に戻りさらに西に進み日本海に出ます。
日本海沿いの道は通称オロロンラインと言って、何もないどこか日本離れした風景の中をひたすら北上します。
海の向こうには晴れていれば利尻島の利尻山が見えるはずですが、もやに包まれて裾野のほんの一部だけしか見えません。
ここで見る夕日は結構有名なのですが...。
そしてさらに北へ走るとノシャップ岬へ着きました。
ノシャップ岬は根室の納沙布(のさっぷ)岬とは違います。
ここは別にたいした景色はなく、お土産屋のカニがとても安かったです。
それから岬をぐるりとまわって少し南へ向かうと、今日の宿泊地、稚内に到着です。
「紀ノ国屋旅館」は駅の近くにあり古い建物で、通された部屋はまるで普通の家の和室でした。
西日が入りとても暑い部屋でした。
ビジネスホテルとは違って足の伸ばせる風呂があり、そこで疲れをとってから今度は夕飯です。
あまり期待していなかった夕飯も結構充実していて、生ウニやタコしゃぶやギザギザメロンもついていました。
その後、夜の稚内に街をぶらつき、英哉は1人で街の中へ消えていきました。
が、何もなかったらしくガッカリして帰ってきました。
四日目、稚内〜網走・ハイジの丘
日本最北端の朝です。ちょっと寒いです。
今日は網走を目指します。予定走行距離は330kmです。
まずは日本最北端の宗谷岬に向かいます。
海沿いに30kmほど走ると北緯45度31分14秒の宗谷岬に到着しました。
宗谷岬には売店がいっぱいあり人も多く結構賑やかです。気温は19.6度で少し肌寒いです。
売店の中にただで入れる-10度の部屋があります。
中にはデカい氷と壁にはアザラシの絵等が描かれ何だか中途半端な部屋でした。
そこからはオホーツク海に沿ってひたすら進みます。
左側が海、右側が広大な原野という風景が延々と続きます。
視界はあまり良くなくて小雨が降ったり止んだりしています。
信号は全然無く久々に浜頓別(はまとんべつ)町の信号で停まりました。
そこを左折すると2台前の車が3台前の車に追突していました。追突したのは他県の車で、されたのは地元のJAFの車でした。
あ〜あ、可哀想に。雨で滑ったとは言え完全な前方不注意です。
旅行中に事故なんか最悪です。我々も気をつけましょう。
単調な道を、枝幸(えさし)、雄武(おうむ)、興部(おこっぺ)と進み紋別(もんべつ)市に到着しました。
今日はここで昼飯を食べることになりました。
街をぐるりと廻ってカニの文字が目立つ店に入りました。
私は「カニ重」、と2人で割り勘でタラバガニを焼いたやつ、いわゆる「焼きタラバ」を頼みました。
今が稼ぎ時と主人は張り切っていました。
出てきた「カニ重」はカニのフライを卵で甘くとじた奇妙なものでしたが結構美味しかったです。
「焼きタラバ」は焼くのに時間がかかると言われましたが、その通りに時間がかかりました。
やっと出てきたそれは、カニの味が凝縮されてとても美味しいですが、焼いて身が締まり食べる所は減っていました。
まあまあ満足して車に戻りまた走り出します。
しばらく走るとサロマ湖が見えてきました。
サロマ湖は日本で3番目に大きい湖と言うだけあってとてもデカく、海と言っても誰も疑わないでしょう。
サロマ湖展望台に行こうと思いましたが、またもや展望台のある山の上は雲に覆われていて諦めました。
このまま網走に向かうと早く着いてしまうので、ガイドの出ていた「ハイジの丘」と言うメルヘンチックな場所に行くことになりました。
ガイドブックの写真では小高い丘に花が咲き乱れ、その名の通りハイジが出てくるような雰囲気です。
国道238号をそれて丘に登っていきます。
途中から道は砂利道になりましたがまあ走りやすいです。
途中、とても気持ちのいい丘に出たので一服しました。
しかしさっきから随分走りましたが一向に看板がありません。
マップルにも出ていて方向は合っているはずなのに...。
少し進むと曲がり角があり、地図はそちらを指しています。が看板らしきものは全くありません。
とりあえずそちらへ進みます。
道はどんどん細くなり轍(わだち)が深くなってきて轍の間に草がボウボウと生えています。
そのため車の底はバサバサと草が擦れる音がします。
そんな道を行くとちょっとした広場がありました。広場と言ってもただその場所には草が生えていないというだけです。
車を降りると周りは草がボウボウなだけで何もありません。
道はまだ先まで続いていますがここから先は到底車で進めそうもありません。
少し歩いて進んでみましたが何も無いようです。
再び広場に戻ってよく見ると朽ちかけた看板があり、よ〜く見ると「ハイジの丘→」と書いてあるような無いような。
矢印の先は壊れそうな小さな橋があり、その先には昔は道だったのかと思われるぬかるんだ道が丘の上に続いていました。
その丘の上を見るとガイドブックに載っていたような木の看板が今にも倒れそうに立っていました。
ガイドが書かれた頃(4年前)にはきれいに整備された写真のような「ハイジの丘」があったのでしょうか?
諦めて車に乗ろうとすると、何に反応してるのかたくさんの虫が寄ってきてドアを閉めるのが大変でした。
道が間違いだったのかと思い、それからいくつか道を探してみましたが結局「ハイジの丘」はありませんでした。
少し寂しい思いをしてそこを去りました。
国道へ出る途中の畑に北海道でよく見る丸いものを見に行きました。
その丸いものは近くに行くとかなり大きく、麦のようなものがグルグルと巻いてあるものでした。
「ハイジの丘」にはがっかりでしたが、なんだか面白い寄り道でした。
国道に戻りサンゴ草で有名な能取(のとろ)湖(咲くのは9月頃です)と網走湖のほとりを通って網走に到着です。
いつものように先ずホテルにチェックインします。
今日のホテルは「北海ホテル」と言います。
ビジネスホテルなのに和室です。部屋はとても広く畳はいいし、裸足で歩けるのもやっぱりいいです。
それから夕飯を食べに繁華街へ向かいました。
目を引いたのはめちゃくちゃ安い焼き肉屋「りき」でした。
肉はとても安く、それほど美味しいとは言いませんがまずまずです。「りきメロンソーダ」は(たしか)50円です。
英哉が「りきメロンソーダくださ〜い!」と叫んだところ、「ソーダって言えばいいよ」と言われてました。はっはっは。
だったらそう書けっつ〜の。
安いので調子の乗って注文したら、かなり頑張っても食べきることができませんでした。
こうして4日目も終わりました。
今回の旅も半分終わりました。
でも、まだまだ長いです。
五日目、網走〜根室・地平線
旅も後半に入りました。
後半に入ったと言ってもまだ1500km以上は走る予定です。
今日は日本最東端の街、根室へ向かいます。移動距離は約250kmです。私が一番期待している日です。
相変わらず天気は曇りです。
まずは国道39号で美幌(びほろ、みほろと思ってました)町に出てから国道243号で美幌峠を目指します。
峠への上り坂をいくつもの自転車ツーリングのグループが登っています。とても真似できないですねえ。
美幌峠が近づくと背の高い木が無くなってきます。
とは言っても峠の標高は490kmでさほど高くはありません。北海道の寒さ故なのですね。
そして美幌峠に到着しました。なんと言ってもここからの景色は最高にいいです。
遮るものが無いなだらかな斜面の向こうに広い屈斜路(くっしゃろ)湖が見え、デカい箱庭のようで尚かつ雄大な景色です。
みやげ屋でトウモロコシを食べました。
そして今度は峠を下り屈斜路湖へ向かいます。
昔(大学の頃)、原チャリで北海道を旅した時、この屈斜路湖の湖畔で初めてのキャンプをしました。
何も考えずテントと寝袋(私は寝袋が無かったのでスキーウェア)を持って、無謀にもそれ以外はほとんど何の装備もありませんでした。
夕飯の材料と炭を買ったはいいが肝心なコンロがない。湖畔にはコンロになる石もありません。
コンロが無いというのは、当然持ってきていないから無いのです。というか必要と言う認識が無かったのです。ははは・・・
途方に暮れてゴミ捨て場を見るとなんといらなくなったコンロが捨ててありました。
捨てる神ありといった感じです。
それを使ってなんとか飯にありつけました。
そして夜寝ようとすると、まだ8月中頃だというのに地面の冷たさで眠れないのです。
キャンプの必需品とされる銀マットの存在なんか知りません。
とにかくその冷たさを遮るものがなく新聞などを拾って何枚も敷いているのですがダメです。
結局、スキーウェアで凍えながらいつの間にか寝ていたような気がします。
そんなこと思い出しながら屈斜路湖の砂湯に到着しました。
砂湯では湖畔の砂を掘るとお湯が出ます。
子供達が水着を着てお湯に入って遊んでいました。
今日は観光地が次々現れます。
次は川湯温泉を通って硫黄山へ着きました。
硫黄山の売店のソフトクリームは有名です。
ソフトクリームを舐めながら煙が噴出している近くまで行き、非常食用に5コ入りの温泉卵を買いました。
今年の2月に来たときは耳が痛いほど寒い中でソフトクリームを食べていました。
そんな寒くても噴煙は上がっていました。
そしてお決まりのコースで次は摩周湖です。
一気に標高を上げて第一展望台に車を停めました。
霧の摩周湖と言われ、独身女性が見ると結婚できないとまで言われる摩周湖ですが、私は今回で4回目ですが全部見えました。
普段の行いがいいのか一生結婚できないかどっちかですね。私は男ですけどね。
冬に来たときは湖面は凍っているところもあり、駐車場は風が吹くと雪が舞い上がっていました。
茹でジャガを買って食べましたが、甘すぎてジャガイモっぽくなくあまり美味しくありませんでした。
それからまた国道243号に戻り、今回の旅で一番行きたかった場所、多和平(たわだいら)へ向かいます。
前はこのあたりで地平線が見えるポイントと言えば開陽台が有名でしたが、こちらの方がいいと言う意見を多く聞きます。
国道からそれて牧草地を走ると丘の上に展望台が見えてきました。
ここから見るとあまり標高は無く本当に丘と言った感じです。
登っていくと段々景色が開けてきます。
駐車場に車を止めなだらかな坂を登ると展望台があります。
展望台の上からの眺めは「うぉ〜」っと思わず叫んでしまうものです。360度の遮るものが無く遠く東には地平線が見えます。
南には釧路湿原方面の平野が、西と北には遠くに山々が見え、こんな景色が日本にあるのかと言うしか表現がありません。
展望台の周りは広い牧場で牛や羊がのんびり草を食べています。
いや〜、なんていいところなんでしょう。「ええの〜」
こんなに凄い所なのに他の観光客がほとんどいないのが北海道のいいところです。
写真ではここの凄さが伝わらないでしょう。
是非行ってみてください。
名残惜しく多和平を後のして国道243号に戻り再び根室を目指します。
ここからはとにかく平野、大平原に入っていきます。
しばらく進むと国道272号と交差します。交差点には何にも無く、大平原の真ん中でただの直線道路が交差している所って感じです。
そこから別海(べっかい)まではとにかく真っ直ぐな道が続きます。
「牛横断注意」の標識がやたらあります。
別海からは小さな丘を何度も越え、その谷間は湿原になっています。厚床(あつとこ)で国道44号にぶつかり左へ曲がります。
そこから根室までは一本道です。
先ほどと同じような道を進むと左には風蓮(ふうれん)湖が見えます。
温根(おんね)沼大橋を渡ると根室市街はもうすぐです。橋から見ると根室半島はまるで島のようです。
まだ時間が早いので市街を通り抜け納沙布岬へ行きます。
納沙布岬は根室からさらに東に25km行ったところです。
岬への根室半島の北側の道は、ここが海の近くと言うことを忘れるほど広大な草原が広がりかなり感動ものです。
そんな草原を進んで日本最東端の納沙布岬に到着しました。
最東端だから日本で日の出が一番早いと思うとそれは間違いです。
富士山の山頂の方が早いそうです。北方領土(国後島)も見えます。
周りには海産物を売るおみやげ屋が並んでいます。
特に花咲ガニが名物でどこの店も店頭で茹でています。
何気なしに店を覗いていると店のおばさんがお決まりの呼び込みをしてきますが、それをかわしていました。
しかし花咲ガニの値段を見るとかなり大きいのに一匹1500円です。や、安い。食べてみっか。
大きいので2人で一匹にしました。
店の中は食事もできるようになっていますが時間が夕方前ということもあって他の客はいません。
カニの鉄砲汁をサービスでもらい、カニとの格闘を開始しました。
カニは見た目とは違って殻はハサミで簡単に切れます。
身はこれまた見た目と違って少ないです。
味はまあまあです。
おばさんがサービスでなんともう一匹くれました。結構デカいので一人一匹はつらいです。
そのおばさんは話好きで近くでず〜っとしゃべっていました。
そのうち北方領土で採れるという貴重な昆布を煮たものも持ってきてくれました。
この昆布は一年に一回の短い期間にお金を払って北方領土へ行って...とさんざん聞かされたので、さすがに残せず全部食べました。
食べ終わって帰ろうとすると店員の若くて可愛い女の子が、まだ食べられますよと殻をバリバリ割って「カニのふんどし」という部分を取り出してくれました。
腹一杯だったので味はよく分かりませんでしたが、女の子の顔は覚えています。
今度は根室半島の南側を通って根室市街に入りました。
今日の宿は「ホテルニューねむろ」です。
いつものようにチェックインをして一服してから夕飯を食べに行きますが、あまり減っていないので少し時間をおきました。
行った店はガイドに出ていた「どりあん」という気軽に入れるレストランです。
そこには根室の名物の「エスカロップ」という食べ物があります。
それはバターライスにポークカツをのせタレをかけたものです。
この洋食チックなものが何故名物なのかよく分かりませんが、英哉に少しもらいましたがボリュームがあって美味しかったです。
私はこの店のオリジナルの「オリエンタルライス」を食べました。
牛のサガリを煮込んだものをライスにかけたのもです。
こちらもボリューム満点でした。
カニと名物で腹一杯になって見所いっぱいだった5日目の夜も更けてゆきました。
六日目、根室〜釧路・ウニ丼
根室の朝は寒いです。
8月の上旬だというのに気温は12度です。
今日は釧路へ向かいます。移動距離は約250kmです。
先ずは最東端の駅、東根室駅に行くことになりました。
地図では確認しましたがどこを探しても駅が見つかりません。
電気屋さんで聞いたところそこのすぐ近くでした。とてもこの先に駅があると思えない路地を曲がります。
看板も標識もありません。
しばらく進むと駅がありましたが、周りには何も無くただそこに短いホームがあるだけです。
なんとも寂しい最東端の駅です。
それから花咲岬にある天然記念物の「車石」を見に行きました。
海の岸壁の階段を下りていくとそれはありました。
確かに車というか不思議な形をしている岩です。
次は霧多布(きりたっぷ)湿原に向かいます。
霧多布までは国道44号を通らずに道道142号で行きます。
この道はほとんど観光客は通らないし地元の車さえもあまり見ません。対向車もほとんど通りません。
ドラマの「北の国から」で蛍が駆け落ちをして住んでいた場所、落石(おちいし)を通りました。
そのうち視界が開け霧多布湿原が現れます。
左側が海、右側が湿原という道を進むとそのうち坂を上ります。
坂の上には琵琶瀬(びわせ)展望台があります。そこからは霧多布湿原が一望できます。
広大な湿原の中を川がウネウネと蛇行をして流れています。
駐車場にある売店にはいろいろな魚介類を焼いてを売っています。
その中に「ウニ丼 2000円」がありました。安いです。
目的であったウニ丼をここで食べる事にしました。
売店の奥の小さなカウンターに座ってウニ丼を頼みました。英哉はサンマの刺身を頼んでいました。
出てきたのは丼にご飯が入っていて、ウニはなんとパックに入っていました。な、なんで?
不審に思い売店のおばちゃんに「これどこで採れたんですか?」と聞いてみると「そこの海だよ」と答えてくれました。ほっ。
さっそくウニを丼に乗せ食べてみました。
う、うま〜い。さすがに旨いです。満足満足。
再び車を走らせます。
厚岸(あっけし)町まで進み国道44号に戻ります。厚岸町の「厚岸グルメパーク」へ寄りました。
近代的な建物の中には売店やレストランがあります。
厚岸は牡蠣(かき)が有名なのですが旬は冬なので諦めます。
結局そこでは何もしないで出ました。
釧路が近づくと車の交通量が増えてきました。
釧路に行く前に釧路湿原に行きます。まずは国道391号に入り塘路(とうろ)湖まで行きます。
再びバイクで来た時の事ですが、塘路湖でキャンプをしました。
キャンプも3日目で我々は慣れて油断していたのでしょうか、夕飯を食べて後片づけを忘れ寝てしまいました。
すると朝方テントの周りが「ガーガー」とうるさいです。
テントを出てみるとたくさんのカラスが我々の食べ残しに群がっています。うわ〜。
さらにキャンプ場の周りを見ると木の上に何百というカラスがいます。
まるでヒッチコックの「鳥」のようです。
そして最後に他のキャンプをしている人達に怒られました。
懐かしい思い出でした。
塘路湖からコッタロ川に沿って釧路湿原の中を車で走れる唯一に道があります。
走りやすい砂利道です。
しばらく湿原の中を進むとコッタロ湿原第1展望地に到着しました。
駐車場からは山の上に階段が続いています。
階段が終わると坂道が続き、その先の展望台からの景色は圧巻です。
まるでアフリカのサバンナの景色のようです。
どこまでも続く湿原をしばらく眺めていました。「ええの〜」
それから釧路湿原をぐるっと時計と反対周りにまわって、今度は有名な釧路市湿原展望台へ行きました。
コッタロ展望地は人がいませんでしたが、こちらは人がいっぱいいます。しかも入場料を取ります。
北海道に来て初めて観光地で金を払いました。
なんとなく芸術的な建物で、屋上に展望台があります。
ここからの景色は前に小高い丘があるためあまり良くありません。がっかりです。
建物の中は博物館のようになっています。
幻の魚「イトウ」もいましたが、ここはあまりお勧めしませんね。有料だし。
この日の観光はこれで終わりです。
釧路の市街地に向かいます。
さすがに釧路の街は大きいです。
今日の宿は「釧路セントラルホテル」です。夕飯を食べに行く前に英哉は街に消えていきました。
2時間ほどで暗い顔をして帰ってきましたが、深く突っ込むのは止めておきましょう。
それから夕飯を食べに行きました。
釧路と言えば炉端焼きです。
チェーン店らしき炉端屋に入りました。「めんめ」という高い魚を食べました。旨かったです。
すっかり酔っぱらって帰りました。
釧路の夜も更けてゆきました。
七日目、釧路〜帯広・北海道No.1
早いものでもう7日目です。
今日の移動距離は比較的少な目で200km、十勝平野の真ん中の帯広を目指します。
国道38号から国道240号、通称「まりも街道」に入り北上します。
あまり面白くない道をひたすら走りやがて標高が上がります。
山の中の分かれ道を国道241号に入り弟子屈(てしかが)方面に少し行くと双湖台というところがあります。
ここからはペンケトウとパンケトウと言う2つの湖が見えるはずですが、さっきまで晴れていたのに霧がかかってしまいました。
とりあえず車から降りてみると凄く寒いです。
走って売店に飛び込みました。
売店の中はストーブが焚いてありました。8月ですよ。しかも上旬。
東京ではクーラーをいれていても暑いのでしょうね。
ここでまた茹でジャガを買いました。今回の茹でジャガはジャガイモらしくて美味しかったです。
外へ出たら一瞬の間、霧が晴れていました。
それから「まりも」で有名な阿寒湖へ向かいます。
阿寒湖も冬に来ました。しかし、阿寒湖はその時も今回も天気がいまいちです。
実際みやげ屋はたくさんありますが、観光の魅力はあまり無い気がします。
すぐに阿寒湖を後にしてオンネトー湖へ向かいました。
国道から雌阿寒岳温泉方面に入っていきます。
山の奥にあるオンネトー湖は深い森の中にあり湖面はエメラルドグリーンです。
まさに神秘の湖と言うのがふさわしい感じです。
晴れていればもっときれいなのでしょうね。
少し雨が降ってきたのでここも早々に撤収して、これぞ北海道のナイタイ高原牧場へ向かいます。
天気は大丈夫でしょうか。
このまま国道に引き返さずに足寄(あしょろ)方面に向かったらすぐに砂利道になってしまいました。
ここらは「ラワンぶき」という蕗の群生地で、背の高さほどある蕗がそこら中に生えています。美味しいのかな。
やっと砂利道が終わり国道に戻って退屈な道を足寄に向かいます。
足寄と言えば松山千春?ですが、なんとその実家には彼の巨大な絵が飾ってあるというので見に行くことになりました。
足寄の街へ着くと小さいながらも「千春の家→」という看板があったのですが、見落として迷ってしまいました。
やっと見つけたそこには噂通りでっかい絵が飾られていました。
その絵は、今の本人とはほど遠い姿をしています。塗り替えないのでしょうか。頭。
すっかり笑わせてもらって足寄を後にして、今度は上士幌(かみしほろ)を目指します。
上士幌と足寄の間に足寄湖という人工の湖があり、その近くに直売もしているチーズ工場があったので寄ってみました。
チーズ工場の中には小さなレストランがあり、そこで昼食を取ることにしました。
そこで頼んだのはカレーにカマンベールチーズがのった「チーズカレー」です。(そのまんまですね)
味もそのまんまでした。
窓の外は広いテラスになっていて外でも食事ができるようになっています。
外はいつの間にか晴れていて遠くに湖が見えとても気持ちいいです。
今回の北海道で初めて晴れたような気がします。
それからまた上士幌を目指します。
坂道が終わると真っ平らな平地に出ます。ここからはものすご〜く広い十勝平野です。
上士幌についてそこから北西方面に進むとナイタイ高原牧場があります。
牧場の中には車で入り外周道を時計と逆周りに進みます。
牧場の広さは1700haあると言っても見当もつきませんが、外周道の長さが14kmと聞くとなんとなく分かるでしょうか。
外周道を登っていくと視界が開けます。
それはどこまでも続く草原で、所々に牛がいますが周りが広いので米粒のようです。
一番登った所にレストハウスがあります。
レストハウスの前面は大パノラマが広がります。レストハウスの向こう側に行ってみます。
草原はどこまでも続きその向こうの十勝平野は地平線まで見えそうです。まさにこれぞ北海道の景色でしょう。
足の長いフカフカの草の上に寝ころんで一休みします。
英哉は気持ちよさそうに寝てしまいました。
やはりここが私の北海道No.1ですね。
多和平もよかったですがやっぱりここは最高です。是非行ってみてください。
しかし、ちょっと気になったのが外周道を2車線道路に代える工事をしていることです。
今のままそっとしておいてほしいですね
ソフトクリームを食べた後、長い外周道の残り半分を通って牧場を後にしました。
まだ時間が早いので、大きく遠回りをして、糠平(ぬかびら)湖、然別(しかりべつ)湖方面に向かいます。
まず国道241号を来た方向に戻り、国道273号を大雪山方面に向かうと糠平湖が姿を現します。
糠平湖は北海道の屋根である大雪山方面への入り口にあります。
そこから険しい山道の道道を通って然別湖へ向かいます。
その途中にキタキツネがいました。車を停めると寄ってきます。
後で聞いたのですが、道路に出てきて餌をねだるキタキツネは冬を越せずに死んでしまうそうです。
皆さん、餌をあげるのは止めましょう。
2車線の道路が終わると然別湖畔に出て、1車線でガードレールも無い連続カーブが続きます。
再び2車線になると然別湖に到着です。
湖畔に下りるととてもきれいで静かな湖です。
そしてそのまま帯広方面に向かい白樺峠を越えてしばらく行くと扇ヶ原展望台にでます。
ここも地平線が見えるポイントとして有名です。
しかし薄靄がかかり残念ながら地平線を見ることはできませんでした。
坂を下りきるとまた直線道路が続きます。
瓜幕(うりまく?)から士幌町への道は17km続く直線道路です。
直線道路はアップダウンを繰り返しはるか先まで見えます。
ようやく突き当たり帯広方面に右折します。
このあたりは一面トウモロコシ畑でその間を碁盤の目のように道が走っています。
その農道はほとんど車が通りません。
車を停めて少しトウモロコシをいただこうと物色しましたが、刈り入れた後らしくどこの畑も小さいものしかなっていませんでした。
(良い子のみんなはマネしちゃだめだぞ)
そんなことをしながらようやく帯広の街に入ってきました。
帯広は思ってた以上に大きな街です。
帯広駅にほど近い所に、今日の宿「帯広パコ3」があります。有名なお菓子屋「六花亭本店」のすぐ前です。
夕飯は帯広の名物と言われる豚丼を食べに「ぱんちょう」に行きましたが、何故か休みでした。残念です。
それから歩き回りましたが、結局ホテルの近くの洋食屋「ゲルマン亭」へ行きました。
ここはとても庶民的な洋食屋で安くて旨いです。
他の客は観光客ではなくて地元の若い人達でした。
北海道の来て一週間目の日も見所いっぱいな一日でした。
八日目、帯広〜札幌・北の国から
今日は8日目。
北海道をちょうど一周して円を結ぶ札幌に向かいます。走行距離は約290km、天気はいいようです。
まずは国道38号を狩勝(かりかち)峠を目指します。
十勝平野の中の広い直線道路を西へひたすら走るとやっと山が近づいてきます。
やがて道は上り坂になります。長い登りが終わるとそこは狩勝峠です。
久しぶりに気持ちのいい青空です。眼下に十勝平野が広がりその向こうには阿寒の山々が見えます。
大平野を後にして「北の国から」で有名になった富良野へ行きます。
峠の富良野側はなだらかな高原気分の道です。
ここあたりは夜になるとものすごい数の星が見えます。
昔、夜にここを通った時に真っ暗な中で車を停めました。
空を見上げると無数の星、天の川も見えて感動したことを思い出します。星があまりに見えると怖くも感じました。
し〜んとした山の中でしばらく空を見ていたら、突然「バキッ」っと森の中で音がして慌てて車に乗り込みました。
熊?蝦夷シカ?あの音は大型動物だと思うのですが、あれは本当はいったい何だったのでしょうか。
その場所を今回は昼間に走っています。
やはりいかにも野生動物がいそうな所ですね。
国道を右折して富良野の麓郷(ろくごう)という所に向かいます。
麓郷は「北の国から」の舞台となった場所です。
まずは麓郷の森に行きました。
ここには1時間枠の連ドラ時代に使っていた家が残っています。
その家はもうボロボロでいつ壊れてもおかしくないという感じです。
ひっきりなしに観光客が写真を撮っています。
今までどの道内の観光地に行っても観光客は数えるほどでしたが、ここ麓郷には人がいっぱいいます。
「北の国から」の人気はすごいんですね。
それから最近のスペシャルで使われた「五郎の石の家」へ向かいました。
石の家は麓郷のさらに奥にありました。駐車場に車を停めて緩やかな坂を上って行くと見覚えのある石の家がありました。
まだこれからの撮影でも使われるため、動物園で動物を見るように石の家を柵の手前から見ます。
「北の国から」って一体いつまでやるのでしょう?「北の国から20XX 黄昏(たそがれ)」とかやってたりして。
それから初めて聞く麓郷展望台という所へ行きました。ここまで来ると観光客も減ってきます。
小高い丘の斜面がラベンダーなどの花畑になっていてその頂上が展望台です。
ここも昔、撮影で使われたらしく道端にいろんな看板がありました。
こんなきれいな場所があるなんて知りませんでした。
なんか得した気分でこの場を後にしました。
このあたりは波状型丘陵と言われ、小高い丘が大きな波をうってウネウネと続いています。
そんな日本離れした田園風景の中を走って富良野の平野に出ました。
こちらは逆に真っ平らで、道は碁盤の目のようです。
直線道路を抜けて国道237号を旭川方面にしばらく走ると、深山(みやま)峠という景色のいい所があります。
美瑛(びえい)方面の田園風景の向こうに十勝岳や大雪山が見えるはずですが、残念ながら今日は見えません。
後は札幌に向かうことにしました。
道央自動車道の滝川I.C.に向かうため芦別(あしべつ)まで道道70号でショートカットします。
その道道は観光客はまず通らないような砂利道でした。
その途中で3匹のキタキツネに会いました。
このキツネ達も冬を越せないのでしょうか。それにしても野生動物の多いところですね。
やっと国道38号に出て芦別を通り過ぎ、滝川から高速道路に乗り一気に札幌に向かいます。
高速を下りると道が混んでいます。
さすがに札幌は大都市で町並みや渋滞は東京と変わりません。
銀行で資金を補充してから、今日の宿「チサンホテルススキノ」に向かいます。
その名の通りすすきののど真ん中にあります。
いろんな意味で有名な繁華街すすきのは、東京で言ったら歌舞伎町と渋谷を合体したような街なのでしょうか。
ホテルにチェックインして、10階の部屋からの景色は凄かったです。何が凄いかと言うと周りがほとんど風俗店なのです。
一服してからすすきのの街に遊びに行きました。
夕飯はジンギスカンで有名な「だるま支店」に行きました。
中はカウンターしかなくてそのカウンターに七輪が埋め込まれています。七輪1つに2人なので席はギュウギュウです。
座るとすぐに1人前のジンギスカンが前に置かれます。その皿にはラム肉と野菜が入っています。一皿700円です。
ラムは臭いというイメージでしたが、ここの肉は軟らかく臭みもなく油ものっていてとても美味しかったです。
2人ともジンギスカン2皿とビールとライスを1杯食べて満足して宿に帰りました。
もう明日は北海道を去る日です。
長いようであっと言う間に日が過ぎていくなあ。
九日目、札幌〜小樽(フェリー)・
北海道
最後の日
ついに北海道旅行の最後の日です。
今日は午後8時40分に小樽から新潟行きのフェリーの乗ります。移動距離は40kmです。
まずは札幌の南方面にある羊ヶ丘展望台に行きました。ここは入場料を取ります。
展望台からは札幌の街が一望できます。羊ヶ丘というくらいあって牧草地には羊が群れています。
「少年よ大志を抱け」で有名なクラーク博士の銅像もあります。
でもこれって北大の中にもあったんじゃないのかな。
それから羊ヶ丘から近いところにある「純蓮」という評判のラーメン屋に行きました。
開店が11時で今は11時10分ですがすでに行列が出来ています。その列に並んだ後も、列はどんどん長くなっていきます。
これは期待大です。
やっとカウンターが2席空いて座ることができました。頼んだのは味噌チャーシューです。
食べてみると、むむ・・・?んん?。美味しくない。あれれ?麺もスープもチャーシューも・・・。
食べるのが苦痛だったラーメンは初めてです。
なんでこんな行列ができるのでしょうか。それとも私の舌がおかしいのでしょうか。
別にラーメンに対して好き嫌いは無いんですがねえ。英哉も納得いっていないようでした。
それから札幌駅に行って英哉が初乗り切符を買ってから、札樽自動車道にのって小樽に向かいました。
北海道をさんざん走った私達にとって、札幌から小樽なんてほんの隣の街って感じです。
小樽に着いてまず天狗山に行きました。
天狗山の山腹をぐるっと回るようにして山頂まで車で行けます。
車を停めてロープウェイの山頂駅のわきまで行くと小樽の街が一望できます。
これだとここからの夜景はきれいでしょうね。
リス園を覗いてから、次に滑り台みたいなものに乗りました。
これはブレーキ付きのソリのようなものに乗りロープで頂上まで引っ張られてから、曲がりくねったレールを滑っておりてきます。
かなり単純なアトラクションですがスピード感があり結構面白かったです。ちなみに有料です。
今日は夜までにフェリーに乗ればいいのでかなり時間の余裕があります。
それで今度は小樽の北西にあるオタモイ海岸へ行きました。
英哉がガイドを見て「オモタイ海岸がよさそうですよ」と言うのでどんな重たい海岸なのかと思ったら単なる読み違えでした。
オタモイ海岸は小樽からすぐ近くにあります。
海が近づくとヘアピンコーナーの連続で下の方へ下りていきます。
駐車場からは遊歩道があり足のすくむような断崖絶壁を歩いていくと海に突き出した展望台があります。
そこは海面から垂直に何十メートルあるでしょうか。
高所恐怖症の私にはかなり怖くて足がすくみます。
それから今度はヘアピンコーナーを登って、小樽の顔となっている小樽運河へ向かいました。
さすがに小樽運河は人でいっぱいです。
しかし昼間だとただの運河ですね。夜はさぞかしロマンティックなのでしょう。
確かに運河の周りはおしゃれな店がたくさんありますが、男2人の旅行には全然関係ないですね。
そんなことをしている内に夕方になっていました。夕飯は寿司にしましょう。
小樽は寿司屋が本当にたくさんあります。
ガイドに載っていた安くて旨そうな寿司屋に行ったのですが閉まっていました。休日だか潰れたかはわかりません。
有料駐車場に車を入れて、そこのおじさんに評判の寿司屋を聞いてみました。
そして「仲一」という店を教えてもらいました。
「仲一」はとてもきれいな店でした。
一見どこの店も高そうですが、それほど高い店はありません。どこも同じような値段です。
店の中には長嶋茂雄監督のサインもありました。頼んだ寿司が出てきました。
これまた旨いです。北海道の寿司は必ず?カニが入っています。
函館で食べた寿司よりこちらの方が美味しかったような気がします。
これで北海道での全行程を終了しました。
とは言ってもフェリーで新潟に行ってから東京までまだ約340km走らなければなりません。
フェリー乗り場に行く前にコンビニでマンガと食料をどっさり買い込んで準備万端です。
フェリー乗り場に行くと一番先頭に並べました。
行きのフェリーとは違って同乗者は歩いて別々に乗船します。
歩いて乗船した方が早いので英哉が場所取りします。
車は先頭だったはずなのに実は駐車場がもう1つあってそちら方が先の乗船でした。
やはり帰りも安い2等客船はかなり混んでいます。それでも1人で2人分にスペースを確保できました。
行きのフェリーよりこのフェリーの方が造りが豪華でデカいスクリーンのあるホール等があります。
船が出発してしばらくそこでテレビを見ていましたが、陸が離れると電波が届かないらしく見えなくなってしまいました。
しょうがないので雑魚寝部屋に戻ったらすぐに寝てしまいました。
北海道、さようなら。
おやすみなさい。
十日目、小樽(フェリー)〜東京・
本当に最後の日
フェリーが新潟に着くのは午後3時15分です。約18時間半の船旅です。
しかし船旅を楽しむと言うよりほとんど寝ていました。
もう眠れなくなった頃に新潟に着きました。
久々の本州はやはり暑いし、道路は混んでいます。
新潟と言えば米、米と言えば回転寿司。
かなり強引な流れですが新潟の回転寿司は安くて旨いとの情報を聞き探すことになりました。
国道8号を長岡方面に走ると辺り一面米畑です。そんな風景の中にポツンと唐突に回転寿司があったので入りました。
確かに安い!しかし、函館と小樽で寿司を食べているだけに比較しては悪いですが、あまり美味しくなかったです。
それから北陸自動車道の巻潟東I.C.から東京へ向けて高速に乗りました。
関越道が新潟まで行っていると思っていたら違ってました。
関越道は長岡JCTまでで、そこから左は富山方面、右は新潟方面の北陸道にぶつかっているのです。知らなかった。
東京までは英哉が全部運転しました。
渋滞もなくすんなりと川口に到着しました。
そこで10日間も一緒に旅をした英哉と別れ、マイホームに着いたのは夜遅くなってからでした。
は〜、さすがに疲れました。
全走行距離は3600km。3600kmと言うと直線距離で稚内からフィリピンまで行ってしまいます。
そう考えるともの凄い距離を走ったのですねえ。
それにしても楽しい旅でした。当然金もかかりました。
北海道の大自然も語りきれないほどよかったです。食べ物も旨かったです。なにもかも破格な旅でありました。
今回で8回目の北海道となりました。いいかげんもう打ち止めですかね。
もし、また北海道に行くとしたら今度はバイク(原チャリではなく)で行きたいです。
あっ、釣り旅行もいいな。礼文島もいいな。
なんだ、まだまだいっぱいあるじゃないか。
北海道、またお会いしましょう!
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